仮想通貨といえば「値動きが激しい」というイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし近年、**価格が安定している仮想通貨「ステーブルコイン」**が注目を集めています。
本記事では、初心者にもわかりやすく「ステーブルコインの基本」「日本の規制」「今後の動向」を解説します。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、法定通貨(円・ドルなど)や金などの資産に価値を連動させ、価格を安定させた仮想通貨です。
ビットコインのように価格変動が激しい通貨は、日常の支払いや貯蓄には向きません。
その点、ステーブルコインは「1ドル=1コイン」などの形で安定した価値を保つことを目的としています。
ステーブルコインの主な種類
種類 | 仕組み | 代表例 | 特徴 |
---|---|---|---|
法定通貨担保型 | 銀行などに法定通貨を預け、その分だけ発行 | USDT(Tether)、USDC | 最も安定性が高い |
仮想通貨担保型 | 仮想通貨を担保に発行 | DAI | 分散型で透明性が高い |
アルゴリズム型 | 自動で需給を調整して価格を維持 | AMPL、UST(破綻例あり) | 技術的挑戦は大きいがリスクも高い |
ステーブルコインのメリット
- 価格が安定している:決済や貯蓄に使いやすい
- 国際送金がスピーディで安価:銀行を介さず24時間送金可能
- DeFi(分散型金融)やNFT取引の基軸通貨として活躍
ステーブルコインは、仮想通貨市場の中で“安定軸”としての役割を担っています。
注意すべきリスク
ステーブルコインは便利な一方、以下のようなリスクも存在します。
- 発行体の信用リスク:本当に準備金があるか不透明な場合がある
- 規制リスク:国や地域によって扱いが異なる
- アルゴリズム型の破綻リスク:2022年のUST暴落のような例も
使用や保有の際は、発行元の信頼性と透明性を確認しましょう。
日本でのステーブルコイン規制と最新動向
改正資金決済法の施行(2023年6月)
日本では2023年6月に「改正資金決済法」が施行され、ステーブルコインの法的位置づけが明確になりました。
これにより、日本円などに連動したステーブルコインの発行・流通が正式に認められるようになりました。
ただし、発行できるのは「銀行」「資金移動業者」「信託会社」など、一定の要件を満たした企業に限られます。
この仕組みにより、ユーザー保護やマネーロンダリング防止が強化されています。
日本円建てステーブルコインの登場
すでに国内では、以下のようなプロジェクトが始動しています。
三菱UFJ信託銀行の「Progmat Coin」
ブロックチェーン上で円と同等価値のコインを発行。
企業間取引やキャッシュレス決済への活用を目指しています。
JPYC株式会社の「JPYC」
日本円と連動したプリペイド式トークン。
Web3サービスやNFTマーケットなどでの利用が進んでいます。
これらの動きにより、**「円で使える仮想通貨」**という新たな選択肢が広がりつつあります。
今後の展望:日本のデジタル経済を支える存在に
ステーブルコインは、単なる仮想通貨ではなく、デジタル社会を支える新しいインフラとなる可能性があります。
今後の注目ポイントは以下の通りです。
- 銀行や大企業による円建てコインの普及
- スマートコントラクトと連動した自動決済の実現
- 国際送金や越境ECへの活用
特に円建てステーブルコインが普及すれば、海外送金やデジタル貿易のコスト削減にもつながります。
まとめ
ステーブルコインは、「安定した仮想通貨」として世界中で注目されています。
日本でも法整備が整い、円建てコインの登場が進むことで、Web3やキャッシュレス社会の基盤になる可能性が高まっています。
これからのデジタル経済を支える“次世代の通貨”として、今後の動向に注目しましょう。