【保存版】群馬県(上野国)ゆかりの武将まとめ|戦国時代から南北朝までを徹底解説

群馬県 Gunma
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群馬県(旧:上野国 こうずけのくに)は、戦国時代を中心に、上杉・北条・武田の三大勢力が激突した“関東随一の激戦地”でした。
当時の上野国には多くの国衆(地元領主)が存在し、各勢力に翻弄されながらも独自の歴史を築いていきました。

本記事では、群馬県にゆかりの深い主要武将を、経歴・功績・特徴とともに詳しく解説します。

🗡️ 主な群馬県(上野国)出身・ゆかりの武将


## 上泉 信綱(かみいずみ のぶつな)|新陰流の祖

  • 生没年:不詳〜1573年頃
  • 出自:上泉城(群馬県吾妻郡、現在の前橋市上泉町周辺)
  • 概要:日本史を代表する兵法家。剣術流派「新陰流」の開祖。

■ 主な功績

  • 実戦に基づく革新的な剣術体系を確立
  • 多くの門弟を育成し、その門下から 柳生宗厳(石舟斎) が登場
  • 新陰流は後に「柳生新陰流」として徳川将軍家の兵法となる

■ 豆知識

  • 信玄に“恐れられた”という逸話は伝承だが、信綱が高名な兵法家だったこと自体は確か。
上泉城(前橋市)
このサイトでは群馬県にある城郭の上泉城を紹介します。

## 長野 業正(ながの なりまさ)|箕輪城の名将

  • 出自:箕輪城(群馬県高崎市)
  • 概要:上杉氏に仕える上野国西部の名将。武田信玄の侵攻に抗った。

■ 主な功績

  • 強固な箕輪城と政治力で西上野を支配
  • 武田信玄の攻撃を長年にわたり防ぎ続けた
  • 誠実な政治と民への配慮でも知られる

## 長野 業盛(ながの なりもり)|若き悲劇の武将

  • 生没年:1545~1566
  • 概要:業正の嫡男、箕輪城最後の城主。

■ 主な功績

  • わずか20歳前後で家督を継ぐ
  • 劣勢の中で奮戦したが、武田軍の総攻撃により討死
  • 若き名将として語り継がれる

## 由良 成繁(ゆら しげしげ)|金山城の国衆

  • 出自:金山城(群馬県太田市)
  • 概要:横瀬氏の出で、後に「由良氏」と改姓。関東の中小領主ながら高い政治力を発揮。

■ 主な特徴

  • 上杉氏・北条氏の間で巧みに主家を選択
  • 乱世の中で領土を維持し続けた
  • 金山城は「関東七名城」に数えられる堅城
金山城跡 - 太田市ホームページ(文化財課)
群馬県太田市の史跡金山城跡の概要について説明します。

## 由良 国繁(ゆら くにしげ)|金山城の後継者

  • 概要:成繁の子。北条氏の勢力拡大により従属し、家名を残す。

## 新田 義貞(にった よしさだ)|鎌倉幕府を滅ぼした武将

※戦国時代より前の人物ですが、群馬県にゆかりが深いため掲載。

  • 生没年:1301〜1338
  • 出自:新田荘(現在の群馬県太田市周辺)
  • 概要:鎌倉幕府滅亡の立役者。南北朝の武将。

■ 主な功績

  • 討幕軍を率いて鎌倉を攻め落とす
  • 稲村ヶ崎の戦いでの「潮の引いた浜を進軍した」逸話が有名
  • 北陸で戦死したが、郷土の英雄として敬愛される

## 小幡氏(こばたうじ)|甘楽郡の有力国衆

  • 本拠地:小幡城(群馬県甘楽町)
  • 概要:戦国期の甘楽郡を支配した国衆。

■ 特徴

  • 武田氏との関係が深く、上州西部で勢力を発揮
  • 小幡氏の館跡は現在も史跡として残る
小幡陣屋(甘楽町)
小幡陣屋(楽山園)は国指定名勝に指定されています。このサイトでは群馬県甘楽町にある町並みや歴史的建築物の見所や由来、写真などを掲載しています。今回は小幡陣屋(楽山園)を紹介します。

## 北条 綱成(ほうじょう つなしげ)|関東屈指の猛将

  • 生没年:1515〜1587
  • 出自:三浦氏の庶子で、後に北条氏に養子入り
  • 上野国出身説は確定ではないため、参考として掲載

■ 特徴

  • 「地黄八幡」の旗で知られ、河越夜戦などで大活躍
  • 北条家中屈指の武勇

※史料上「上野国出身」と断定できる資料はない、ゆかりのある可能性がある武将


## 真田氏(さなだし)|沼田領をめぐる攻防の中心

(※出身地は長野県だが、上野国の歴史に密接に関わるため掲載)

■ 上野国との関わり

  • 真田昌幸が北条氏と争い沼田領を確保
  • 関ヶ原後、真田信之が沼田城主となり統治
  • 真田家の内情(家督争い)にも沼田領が深く関係

🏯 上野国を取り巻く戦国期の主要勢力


上杉氏(山内上杉家)

  • 関東管領の名門
  • 上野国を支配していたが、北条氏の台頭により勢力を失う
  • 上杉憲政が越後に逃れ、長尾景虎(後の上杉謙信)が家督継承

北条氏(後北条氏)

  • 関東平野を制圧した戦国大名
  • 上野南部(現在の館林・太田周辺)に深く進出
  • 金山城や白井城などを攻略

武田氏

  • 甲斐の武田信玄が上野西部へ侵攻
  • 箕輪城(長野氏)との攻防が有名

📝 まとめ

群馬県は、関東戦国史の中心舞台であり、多くの国衆や武将が乱世を生き抜きました。
上杉・武田・北条という大勢力に挟まれつつも、それぞれが独自の戦略や政治力で領地を守ったのが特色です。

上泉信綱・長野業正・由良成繁などは、群馬が誇る歴史的人物として、現在も各地に史跡が残っています。