上毛かるたは、札の一枚一枚に群馬県の歴史・文化・精神が凝縮されています。
ここでは、ア行からナ行までの札を1枚ずつ取り上げ、その意味や背景を分かりやすく解説します。
【ア】浅間のいたずら 鬼の押し出し
浅間山の噴火によって形成された「鬼押出し溶岩流」を詠んだ札です。
1783年の天明大噴火は、関東一帯に甚大な被害をもたらしました。
「いたずら」という表現には、
自然の脅威と共存してきた群馬の歴史が込められています。
【イ】伊香保温泉 日本の名湯
群馬県を代表する温泉地・伊香保温泉を称えた札。
石段街と、鉄分を多く含む「黄金の湯」で全国的に知られています。
古くから多くの文人墨客に愛され、
温泉文化の象徴的存在として今も人気です。
【ウ】碓氷峠の 関所跡
中山道の要衝であった碓氷峠。
江戸時代には交通・防衛の要として重要な役割を果たしました。
群馬が関東と信州を結ぶ交通の要地だったことを伝える札です。
【エ】縁起だるまの 少林山
高崎市にある少林山達磨寺を詠んだ札。
「高崎だるま」は全国的にも有名で、縁起物として親しまれています。
群馬の商業文化・信仰文化を象徴する一枚です。
【オ】太田金山 子育呑龍
太田市・金山城と、子育てに尽力した僧「呑龍上人」に由来する札。
呑龍さまは、今も子育て・安産の守り神として信仰されています。
【カ】関東と 信越つなぐ 高崎市
高崎市は古くから交通の要衝として発展してきました。
現在も新幹線が交わる「群馬の玄関口」として重要な都市です。
群馬の地理的価値を端的に表した札です。
【キ】桐生は 日本の 機どころ
織物の町・桐生市を詠んだ札。
西陣織と並び称される「桐生織」は、日本の近代産業を支えました。
群馬のものづくり精神を象徴する一枚です。
【ク】草津よいとこ 薬の温泉
日本三名泉の一つ、草津温泉。
強い酸性泉は殺菌作用が高く、「薬の湯」と呼ばれてきました。
観光県・群馬を語る上で欠かせない存在です。
【ケ】県都前橋 生糸の市
群馬県庁所在地・前橋市は、かつて生糸取引の中心地でした。
養蚕・製糸業で栄えた群馬の経済史が詠み込まれています。
【コ】心の灯台 内村鑑三
前橋市出身の思想家・内村鑑三。
無教会主義を唱え、日本の精神文化に大きな影響を与えました。
群馬が生んだ精神的リーダーを称える札です。
【サ】三波石と 冬桜
藤岡市・鬼石地区の名勝「三波石峡」と、冬に咲く珍しい桜を詠んだ札。
群馬の自然の奥深さを感じさせます。
【シ】上州名物 かかあ天下
群馬女性の気質を表す有名な札。
実際は「働き者で家族思い」というポジティブな意味が込められています。
【ス】裾野は長し 赤城山
赤城山の雄大な姿を表現した札。
「裾野は長し」は、群馬県民なら誰もが知る名フレーズです。
【セ】仙境尾瀬 沼の原
本州最大級の高層湿原・尾瀬。
豊かな自然と希少な生態系を誇る、日本屈指の自然遺産です。
【ソ】そろいの仕度で 八木節音頭
群馬の代表的な民謡「八木節」。
祭りや盆踊りで今も歌い継がれ、地域文化を支えています。
【タ】滝は吹割 片品渓谷
「東洋のナイアガラ」と称される吹割の滝。
群馬のダイナミックな自然美を象徴する名所です。
【チ】力あわせる 二百万
制定当時の群馬県人口を詠んだ札。
県民の団結と協力を呼びかけるメッセージ性の強い一枚です。
【ツ】つる舞う形の 群馬県
上毛かるたの中でも最も有名な札。
地図上の群馬県の形を、舞う鶴に例えています。
群馬県民の“合言葉”的存在です。
【テ】天下の義人 茂左衛門
農民を救うために立ち上がった義民・磔茂左衛門。
弱者のために尽くした精神は、今も語り継がれています。
【ト】利根は 坂東一の川
関東最大級の河川・利根川。
農業・生活・産業を支えた、群馬の母なる川です。
【ナ】中仙道 しのぶ安中杉並木
旧中山道に残る杉並木を詠んだ札。
旅人を見守ってきた歴史の道が、今も残っています。

