「上州名物・空っ風」や「上毛かるた」など、群馬県を表す言葉にはいろいろな呼び方がありますよね。 「結局、群馬の昔の名前って何?」「なぜ『こうずけ』って読むの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、群馬県の旧国名とその由来、そして意外と知られていない栃木県との深いつながりについて解説します。
群馬県の昔の名前は?「上野国」「上州」「上毛」の由来と歴史を紐解く
1. 群馬県の旧国名は「上野国(こうずけのくに)」
群馬県の昔の名前は、**上野国(こうずけのくに)**といいます。
漢字だけを見ると「うえののくに」と読んでしまいそうですが、正しくは「こうずけ」と読みます。これには、古代の地名の変化が関係しています。
なぜ「上野」と書いて「こうずけ」と読むのか?
もともと、現在の群馬県と栃木県を合わせた地域は**「毛野(けぬ / けの)」**と呼ばれていました。 その後、都に近い方を「上毛野(かみつけの)」、遠い方を「下毛野(しもつけの)」と分けるようになりました。
奈良時代に「地名は漢字2文字で表記する」という決まり(好字二字令)ができた際、「上毛野」から「毛」の字が消えて**「上野」と書かれるようになりました。 しかし、読み方だけは「かみつけの」が残り、それが時代とともに「かみつけ」→「こうずけ」**と変化したのです。
2. 今でも馴染み深い「上州」と「上毛」
群馬県内では、今でも「上州(じょうしゅう)」や「上毛(じょうもう)」という言葉がよく使われます。これらも旧国名に由来しています。
- 上州(じょうしゅう): 「上野国の州」という意味です。江戸時代などに広く使われた呼び名で、現在も「上州牛」や「上州路」など、ブランド名や観光用語として定着しています。
- 上毛(じょうもう): 古称である「上毛野」の略称です。群馬県民のアイデンティティとも言える「上毛かるた」や、地元紙の「上毛新聞」など、文化的な側面で非常に強く根付いています。
3. 「群馬」という県名はどこから来た?
明治時代の廃藩置県によって「群馬県」が誕生しましたが、この名前は当時の県庁所在地が置かれた**「群馬郡(ぐんまぐん)」**に由来しています。
「群馬」という漢字の通り、この地は古くから馬の産地として有名でした。 「多くの馬が群れている場所」という意味から「群馬(くるま / ぐんま)」と呼ばれるようになったと言われています。
実は、古代の公文書では「車(くるま)」と記されていたこともあり、馬が当時の移動や軍事においていかに重要だったかが伺えます。
4. 栃木県(下野国)との深い兄弟関係
隣の栃木県は、昔の名前を**「下野国(しもつけのくに)」**と言います。 前述の通り、群馬と栃木はもともと「毛野国(けぬのくに)」という一つの地域でした。
現在でも、群馬県東部と栃木県南西部を合わせて**「両毛(りょうもう)地域」**と呼ぶのは、この「両方の毛野国」という意味から来ています。歴史を知ると、隣県がより身近に感じられますね。
5. まとめ
群馬県の昔の名前をたどると、豊かな自然と馬の歴史、そして古代から続く文化の深さが見えてきます。
- 旧国名: 上野国(こうずけのくに)
- 別称: 上州(じょうしゅう)、上毛(じょうもう)
- 県名の由来: 馬の産地であった「群馬郡」から
次に「上毛かるた」をするときや、旅行で「上州」の文字を見かけたときは、ぜひこの歴史を思い出してみてください。

